運動生理学

【3つの要素】スタミナとは?意味を分かりやすくまとめました

お疲れ様です。しましまです。

 

今回のテーマは『スタミナの意味』

スポーツをしていると、何気なく「スタミナ」っていう言葉を使うけど、実際本当はどういう意味なんだろう?

感覚で使われている言葉の1つですね。こういった言葉をきちんと整理すると、自分に足りないものがよりクリアになります。

スポーツを行う上で頻繁に使われる言葉ですが、結構ざっくりとしたイメージで理解している方が多いように思いでしょう。

『スタミナ』(英:stamina)とは『持久力』を意味するものであり、以下の3つの要素が大きな柱となっています。

 

①最大酸素摂取量
 
②乳酸性作業閾値(LT値)
 
③ランニングエコノミー

 

今回はこれらの要素をできる限り分かりやすくまとめたので、ぜひ参考にしてください。

 

なぜ、「言葉の意味」を理解する必要があるのか?

これは余談ですので、「スタミナって何なの!?早く教えて!」という方はすっ飛ばしてください。

世の中には曖昧なまま理解されている言葉が多くあります。

例)「スピード」、「パワー」

何気なく使っているこれらの単語、実は具体的に意味が示されており、
(スピードは「ストライド×ストライド率」、パワーは「力×スピード」)

こういった定義をきちんと理解しておくと、例えばパワーで言えば、

・自分に足りないのは筋力なのか

・それとも筋スピードなのか

と自分の状況をより明確に掴むことができます。

これが「パワー = 筋力」と理解してしまっていたら、不調なときになかなか出口は見えませんね。

 

①最大酸素摂取量

では、具体的な中身を見ていきましょう。

まずは『最大酸素摂取量(VO₂MAX)』

最大酸素摂取量とは文字通り「酸素摂取量の最大値」を表しますが、これだと体格差などを考慮することができません。

そのため一般的には「1分間あたりの酸素摂取量を体重で割ったもの」という定義が使われています。

最大酸素摂取量の多少は心肺機能に起因しており、具体的には

A.心臓の拍出量
 
B.毛細血管数
 
C.呼吸器の換気能力

などが重要になります。

 

A.心臓の拍出量

拍出量とは一回の拍動で送り出される血液の量のことを言い、血液が流れるときに酸素も一緒に運ばれます。

そのため、一回あたりの心臓の拍出量が増えれば全身へ運ばれる酸素の量も増えるので、『スタミナ』向上に繋がるのです。

Point

拍出量
= 1回の拍動で送り出される血液量

 

B.毛細血管数

血液は毛細血管を通って筋肉細胞に酸素を供給するので、毛細血管の数が増える(毛細血管の密度が大きくなる)ことでも『スタミナ』は高まります。

※正確には血液中のヘモグロビンと結びついた酸素が、毛細血管内でミオグロビンに取り込まれ、その後ミトコンドリアにてエネルギー生成に使用される、という過程になります。

Point

血液は毛細血管を通って筋肉細胞に酸素を供給する

 

C.呼吸器の換気能力

酸素が血液内へ、二酸化炭素は外気へという一連の過程を「換気」と言います。

この換気能力が高まると、それだけ迅速に酸素が血液内へと送り込まれ、毛細血管を通り筋肉へと運ばれるので、『スタミナ』が高まるのです。

Point

・酸素をより迅速に取り込める身体作りが重要

 

【VO₂MAXを向上させるためには↓】
・『VO₂MAX(最大酸素摂取量)』とは?【トレーニングとの関係性】

 

②乳酸性作業閾値(LT値)

『スタミナ』を決める2つ目の要素として、乳酸性作業閾値(以下、LT値)というものがあります。

LT(Lactate Threshold)は、主観的な運動強度で言えば

「続けられるけどちょっときつい」

程度の段階のことであり、これ以上強度を高めると血中乳酸濃度が急激に高まり一気にきつくなるポイントのこと。

上でお話ししたVO₂MAXで表すと、VO₂MAXのだいたい50~70%くらいがLT値と言われています(個人差、競技レベルにより差が出る)。

LT値以下の運動を続けている間は、主に有酸素系のエネルギー供給が行われているため、長時間継続することが可能。
しかし、LT値よりも強度の高い運動を行うと、無酸素系のエネルギー供給の割合が大きくなるため、上記の通り血中乳酸濃度が高まり、短時間で一気にエネルギーを消耗します。

つまり逆に言えば、LT値を高めることができれば、それに比例して有酸素系のエネルギー供給に頼れる時間が長くなるので、結果的に『スタミナ』向上に繋がるのです。

 

【LT値を向上させるためには↓】
・【簡単】LT値(乳酸性作業閾値)とは?

 

③ランニングエコノミー

最後は『ランニングエコノミー』について。

エコノミー(英:economy)には「経済」という意味のほかに、

・「節約」
 
・「無駄を省くこと」
 
・「効率的」

という意味があります。

つまり『ランニングエコノミー』とは「無駄を省き効率的に走ること」
車で言えば「燃費を良くすること」にあたるでしょう。

上述のVO₂MAXやLT値が生理学的要素であるのに対し、ランニングエコノミーは例えば「接地の改善」など、「自分の身体の使い方」という要素が出てきます。

これはスタミナ向上のための「技術的側面」と言えるでしょう。

Point

ランニングエコノミー向上の目的は、「無駄なエネルギーを使わないこと」でランニングパフォーマンスを向上させること

 

【ランニングエコノミーを向上させるためには↓】
・【超入門】「ランニングエコノミー」ってなに?縄跳びが最適?

 

身体の仕組みを知ることで競技力は何段も上がる

ここまで書いてきましたが、『スタミナ』という1つの言葉を取っただけでも、これだけの情報があります。

なかなか複雑に思うかもしれませんが、こういった知識を蓄えることで、効率よく自分の競技力を高めることができます。

1つ1つ知識を身に付けて、目標実現を目指しましょう。

 

 

では、今回はここまでです。

【関連記事↓】
・【スポーツ生理学】運動するときのエネルギーってなに?【ATP】
・【まとめ】乳酸とは?乳酸が疲労の原因なの?