1500m

【具体的】1500mの最適なレースペースとは?

こんにちは、しましまです。

今日は1500mでタイムを上げるコツを考察していきたいと思います。

 

他の記事でも言及していますが、実は1500mという競技、中朝種目の中では国内でも世界でも記録がなかなか更新されない種目で、男子の世界記録は1998年、日本記録は2004年で止まっています。

そんなに簡単に記録が更新されても…と思うかもしれませんが、中長種目においては科学の発展というものが大きく寄与しており、記録が約20年更新されないというのは珍しいことなのです(実際、世界では800m、5000m、10000mがそれぞれ2012年、2004年、2005年に、日本では同2014年、2015年、2015年に記録が更新されています。一方、3000mSCは同2004年、2003年なのでこちらも比較的古い記録と言えます)。

1500mは本格的に部活動が始まる中学校から取り入れられている種目であり、陸上競技に携わる方であるならば馴染みの深い種目だと思いますが、記録更新の面では意外と難しい種目なのです。

 

 

なぜ難しい?1500mという種目の特徴

 

※初めにお断りしておくと、私は1500mという種目が陸上競技の中で1番好きです。その上で、1500mという競技の発展のためには何が必要なのかということを若干のマイナス面なども挙げながら分析していることをご承知おき下さい。

 

 

では、どうしてこれだけ記録が更新されないのかというところです。これは取り組む競技者のレベルであったり、試合のレベル、展開など様々な要素に左右されるので一概に言えることではないのですが、その上で私なりに原因を考えるとするならば

 

①専門的に取り組む人が少ない?

②スピードとスタミナのバランスが非常に難しい

 

という2つのことを挙げます。

 

①まず1つ目について、これは2つ目のことに関わることなのですが、1500mという種目においてスピードとスタミナのバランスが非常に難しく、トレーニングの結果結局どちらかの比重が大きくなり、800mへ移行したり、5000mや10000mに移行したりということが多く、専門的に取り組むことが少なくなるということがあります。専門的に取り組む人が少ないというより、専門的に取り組むことが難しいと言えるかもしれません(もちろん、どの種目も競技力を高めることは非常に難しいことです)。

また、試合での派手さも関係しているかもしれません。1500mは、800mのように短距離並みのスピードであっという間にゴールできる種目ではなく、最近の5000mや10000mのように、これだけ長い距離を走ってきたのに最後はこんなに上がる、という展開になる種目でもありません。『見せ場』を作るのが難しい種目なのです(ただし、それが1500mという種目の面白さでもあります)。

 

②2つ目に関しての以下の説明については、少し複雑なので飛ばしていただいても構いません。要は1500mではスピードもスタミナも必要だということです。

800mは世界記録で1分40秒、だいたい2分弱で走り終えますので、エネルギー供給面で言えば無酸素性の解糖系機能の向上に重きを置くことができます(有酸素性のトレーニングも必要です)。5000mや10000mになれば有酸素性のトレーニングに大きく重きを置くことができます。しかし、1500mという競技は走り終える時間だけ見れば世界記録でも3分26秒、だいたい3分30秒~4分程度かかりますので、有酸素性のトレーニングが重要のように思えるのですが、そのペースを見ると世界記録で400m55秒ペース、日本記録でも400m58秒ペースです。これだけののペースを維持するために有酸素性のトレーニングだけで賄うのは難しく、スピードトレーニングも欠かせません。ここにスピードとスタミナのバランスを保つ困難さがあります。

後述の1500m世界記録保持者エルゲルージも150m~300m程度のスピードトレーニングを取り入れていました。

http://www.oztrack.com/hicham.htm

 

 

1500mのタイムを上げるコツー1000mとの関係性

 

少し前置きが長くなりましたが、ここから1500mのタイムを上げるコツについて具体的にお話ししていきます。

1500mはスピードもスタミナも必要、それならどのような練習をすれば良いのか、試合ではどのように走れば良いのかとなりますが、1500mにおいては1000mのタイムが非常に大切であると考えています。

まず、以下のデータをご覧ください。

(日本人選手はデータが少なく、載せることができませんでした)

 

1500m世界記録上位5名の記録

〇Hicham El Guerrouj(1500m世界記録保持者)

・800m   1分47秒18

・1000m  2分16秒85

・1500m  3分26秒00 1000m 2分17秒ペース

・3000m  7分23秒09

・5000m 12分50秒24

 

〇Bernard Lagat(同2位)

・800m   1分46秒00

・1000m  2分16秒18

・1500m  3分26秒34 1000m 2分17秒ペース

・3000m  7分29秒00

・5000m 12分53秒60

 

〇Asbel Kiprop(同3位)

・800m  1分43秒15

・1000m 2分14秒23

・1500m 3分26秒69 1000m 2分17秒ペース

・3000m 7分42秒32

 

〇Noureddine Morceli(同4位)

・800m   1分44秒79

・1000m  2分13秒73

・1500m  3分27秒37 1000m 2分18秒ペース

・3000m  7分25秒11

・5000m 13分03秒85

 

〇Noah Ngeny(同6位)

・800m  1分44秒49

・1000m 2分11秒96

・1500m 3分28秒12 1000m 2分18秒ペース

・3000m 7分35秒46

 

(参照元:IAAF公式サイト)

 

 

 

1500mというと、800mが速い人が1500mも速いと思うかもしれませんが、必ずしもそうとは限らないことが上記から分かります。もちろん800mが速い人は1500mも速いことが多いのですが、世界記録保持者のエルゲルージや2位のラガトなどは3位のキプロプよりも800mのタイムで3秒~4秒劣っており、1000mでも他の選手より3秒~5秒程度劣っています(ただし、1500mのラップが2分17秒で1000mのベストと1秒しか変わらないというのは考えづらいので、1000mについては本来もう2秒程度は速く走れるのではと思います)。

自分が800m寄りの適性を持っているならばA.1000mは1500mの目標レースペースよりも5秒~6秒程度、一方でB.1500m以上の距離寄りに適性を持っているならば1500mの目標レースペースよりも2秒~3秒程度速い1000mのタイムを持っていると良いでしょう。

逆に言えば、Aのようなタイプの競技者ならば1000mのベスト+5秒~6秒程度が1500mの理想のレースペースBのようなタイプの競技者ならば1000mのレースペース+2秒~3秒程度が1500mの理想のレースペースということがこのデータからは判断することができます。

自分がどちらのタイプなのかをしっかりと見極めて、1500mのレースに生かしましょう。

 

 

競技適性によってアプローチの仕方を変える

 

1500mに限らず、トレーニングを行う上では、自分の適性を把握することが大切です。

それは専門種目を選ぶときだけではなく、専門とする種目を選んだ後にも大きな影響を与えます。

自分に合った効率の良い練習法を常に模索しましょう。

 

では、今回はここまでです。