ランニングの教科書

【事実】ストレッチとランニングの関係性をまとめました【効果アリ】

お疲れ様です。しましま(@simasimasport)です。

 

今回のテーマは『ストレッチ』

ランニングに取り組む人、スポーツに取り組む人によくある疑問・不安として

・運動前のストレッチは意味がない?
 
・意味がないと言われても、やらないと不安

こんなことが挙げられます。

これまで、運動前のストレッチはある種の「常識」として捉えられてきたでしょう。

しかし、「スポーツ科学」という分野が発展してきた今、これまで常識と考えられていたものが「非常識」に変わりつつあります。

そこで今回は、ストレッチについての「現代の常識」について学び、ストレッチへの不安・疑問を解消していきましょう。

 

結論:ストレッチに問題なし(但し条件付き)

まずは結論から。

特にランニングであれば、走る前にストレッチを行っても大きな問題はありません。

ただし、以下の条件付きです。

①スタティックストレッチは30秒以内
 
②ダイナミックストレッチは運動パフォーマンスを向上させる

順にお話ししていきます。

 

そもそもストレッチがなぜダメ?

上記のポイントを説明していく前に、まずはいま議論になっている「ストレッチの問題点」を整理していきましょう。

そもそも運動前のストレッチが良くないと言われているのは、「ストレッチを行うことで運動パフォーマンスが低下すると考えうる」エビデンスがあるためです。

具体的には、以下の通り。

・筋力、筋パワーが平均-6.9%の低下(最大で-19.1%)
 
・ジャンプパフォーマンスについても平均-2.9%低下

これだけを見ると、確かに運動前のストレッチは良くないんじゃないかと考えられそうですが、ここでもさらに注意点があります。

それは、

・対象のストレッチは「スタティックストレッチ」
 
・大きな低下が見られるのは「90秒程度」行ったとき

という2つのこと。

 

ストレッチの種類

ストレッチには大きく2つの種類があります。

・1つは「スタティックストレッチ」

・もう1つは「ダイナミックストレッチ」です。

「スタティックストレッチ」とは、一般的に「ストレッチ」と言われて皆さんが思い浮かべるようなもの。

例えば、アキレス腱を同じ状態で◯秒伸ばすみたいな。こういった特徴からスタティックストレッチは「静的ストレッチ」と呼ばれています。

一方で「ダイナミックストレッチ」とは、動作を伴うストレッチのことで、「動的ストレッチ」と呼ばれます。

これは動画で見てもらった方がイメージがわきやすいでしょう。

【YouTube動画↓】

(動的ストレッチの中でもこれはかなり軽めのストレッチ)

 

このうち、上述のように運動パフォーマンスを下げるというエビデンスがあるのは主に「スタティックストレッチ」についてです。

「ダイナミックストレッチ」については

・筋力の向上(0.5%~7.3%)
 
・シャトルラン速度、ジャンプパフォーマンスの向上

というよう「パフォーマンスを向上させる」と考えうる実験結果が出ています。

 

ストレッチの時間

さらに、パフォーマンスを低下させると言われているスタティックストレッチについても、ストレッチの時間を変えればその影響は小さくなります。

スタティックストレッチについて時間で分けて筋力への影響度を計測した研究では、以下のような結果が出ました。

・30秒以内:平均ー0.5%の筋力低下
 
・30秒~60秒:平均-4.5%の筋力低下
 
・60秒~90秒:平均-2.0%の筋力低下(エビデンスが少ない)
 
・90秒以上:平均-5.9%の筋力低下

全体として低下を示していることには変わりありませんが、30秒以内のストレッチで見られた0.5%の低下というものはほとんど影響がないと考えられます。

スタティックストレッチを(1種)30秒というのはおよそ平均的な数値。

ストレッチの時間を長くしすぎず、これまで通りやっていればほとんど影響がないと言えるでしょう。

一方で、ダイナミックストレッチについては時間に関係なく筋力の向上が見られ、むしろ90秒以下行った場合に比べ、90秒以上行った場合のほうが優位に筋力が向上したという結果が出ています。

 

ストレッチは時間次第でアリ

以上の結果から、

・スタティックストレッチは行う時間次第で「アリ」で、

・ダイナミックストレッチももちろん「アリ」

という結論が導かれます。

スタティックストレッチはケガ予防にある程度の効果が見られ(こちらも否定的なエビデンスはありますが)、筋力等の運動パフォーマンスに影響を与えないのであれば有益。

「ストレッチってやらないほうが良いのかな…」「でもやらないと不安だな…」と考えていた方は、以上の点に注意してストレッチを行いましょう。

 

では、今回はここまでです。

 

 

(参考文献)
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