雑記

【こどもはやるべき?】スポーツと脳における『3つの関係性』

お疲れ様です。しましまです。

 

今回のテーマは『スポーツと脳』です。

私はこのサイトを通して「スポーツの価値」をできる限りたくさんの方に伝えることができればと考えていますが、スポーツが影響を与える範囲というのは身体的なものにとどまりません。

ヒトの活動を司る「脳」にも大きな影響(もちろん良い意味での影響)を与えることができます。

そこで今回は、スポーツと脳が具体的にどんな関係性を持っているのか、お話ししていきたいと思います。

 

 

1.スポーツと学力

スポーツが学力に与える影響については数多くの研究結果が出ています。

その中でも大きなキーワードの1つとなるのが『BDNF』という単語。Brain-Derived Neurotrophic Factorの略称で、「脳由来神経栄養因子」と言われる物質なのですが、ここで覚えて欲しいのはもちろんそんな仰々しい名前ではありません。この物質が脳に与える影響と、運動との関係性です。

その名前の通り、『BDNF』は脳にとっての栄養となります。至極簡単に理解するならば脳にとってのプロテインと考えてください。脳は日常生活において、能動的であるか否かを問わず何もしていなくてもエネルギーを消費していきますが、『BDNF』はその脳を保護したり、神経回路を構築させたりする役目を果たしています。

『BDNF』の役目は上記「保護」や「構築」だけではありません。もちろんこれらの役割だけでも脳へ大きな影響力を与えるのですが、さらに注目したいのが「可塑性」という要素。

私たちが「学習」を行うとき、脳内では1つのニューロン(神経単位)と他のニューロンとの間で情報の伝達が行われています。そこで大きな役割を果たすものとして「シナプス」と呼ばれる部位があります。

シナプスは神経細胞(ニューロン)の「軸索」の末端にあるこぶ状に膨らんだ箇所であり、情報はこのシナプス同士を介して他のニューロンへと伝達されていきます。

繰り返し学習を行うと、このシナプス自体が大きくなり、シナプス同士の「結合」が強まる(「シナプス可塑性」)のですが、この結合を手助けするのが『BDNF』であり、それを活用する上で重要なのが『運動』なのです。

例えばアメリカで行われたある実験では、マウスに回し車を好きなだけ使わせた場合と、使わせなかった場合では、前者で有意に『BDNF』が増加していることが分かり、さらに走った距離が長いマウスほど『BDNF』の増加量が多くなっていました。

つまり、運動が学習効率を向上させるのです。

 

 

2.スポーツと仕事

学力といわゆる「頭の良さ」は別物と考える方は多いでしょう。そんな方にこそ紹介したい実験結果があります。

その実験では、被験者に対しあるテーマを与え、それに関し本来の用途とは違った用途を制限時間内にできる限り多く挙げるよう伝えました(例えば新聞紙を与え、新聞紙を読む以外の使い道を挙げさせる(ごみ袋にする、こどもの遊び道具にするなど))。

このとき実験群を2つに分け、テーマを与える前の数十分間片方のグループは映画鑑賞を行い、もう片方のグループはジョギングを行いました。

結果は想像がつくと思います。後者のほうが明らかに多くの用途を挙げることができました。

これが仕事などにおけるいわゆる「頭の良さ」へどう繋がるのかと思う方もいるかもしれません。ここで一旦「頭の良さ」とはどういったことを指すのか整理しましょう。

おそらく多くの方が「頭の良さ=頭の回転が速い」と考えているでしょう。では「頭の回転が速い」とはどういう要素から成り立っているのかと考えてみれば、

 

・答えを導き出すのが速い(「瞬発性」)

・新たな答えを生み出せる(「創造性」)

・様々な角度から物事を見ることができる(「柔軟性」)

 

ということではないでしょうか。では上述の実験の内容を改めて見てみると、

「あるテーマから制限時間内に新しいものを生み出す」

というのは

「制限時間内に」=「瞬発性」

「新しいものを生み出す」=「創造性」「柔軟性」

と捉えることはできないでしょうか。

さらに「運動を行ったという経験」はコミュニケーションの話題となります。仕事をする上でコミュニケーションがどれだけ大きな価値を持っているかは多くの方が感じているところでしょう。

運動は「仕事がデキる」という意味で使われるような「頭の良さ」にも繋がるのです。

 

 

3.スポーツと老化

最後に、スポーツと高齢化についてのお話です。

これに関しては多くの方がその結び付きを感じているところと思います。「若々しい」と感じる年上の方の趣味を聞いてみれば大抵の方が「運動」と答えるでしょう。

もちろんこれは見た目や身体的な要素が大きく、脳との結び付きとは言えません。脳との結び付きで言えば、よく挙げられるものが以下の2つの要素です。

 

1.認知能力

認知能力とは大雑把に言えば「理解力」や「判断力」のことです。年齢を重ねるとともにこれらの要素が低下していくことはよく知られていますが、運動にはそれを防止する効果があるとされています。

ある実験では、高齢者を2つの実験群に分け、片方のグループはストレッチを、もう片方のグループはランニングマシンを使って有酸素運動をそれぞれ半年間行ったところ、後者において認知能力を脳内の司る部分の容積が大きくなっていたことが分かりました。

つまり運動は老化による認知能力の低下を防止するだけではなく、認知能力を向上させるとも考えられるのです。

 

2.記憶力

老化と深い結び付きのあることとして記憶力も挙げられます。「物忘れ」が激しくなったというのは年齢を重ねたときに起こりうる悩みの1つでしょう。

運動と記憶力の関係性を示す実験結果はいくつも出されています。上記運動と学力の関係性でお話ししたことも当然記憶力に関わることですが、その他にも運動により「作業記憶能力」(記憶した情報を時間をおいて思い出す能力)の向上を示す実験結果も出ており、その関係性は明確になっています。

 

 

豊かな生活とは?

さて、ここまで運動と脳の関係性について具体的に見てきました。

最後に改めて整理したいことは「脳を鍛えることの意味」です。

運動がどれだけ脳と深く関わっていることが分かっても、脳を鍛える意味を感じなければ何の意味もありません。

 

私自身は、脳を鍛えることの意味を「生活を豊かにすること」と考えています。

そして「生活を豊かにすること」とは「心を豊かにすること」です。

「心を豊かにする」ためには日常生活の様々なストレスを解消していく必要があり、そのサイクルを上手く回していくために必要な要素が「運動」なのです。

 

皆さんは普段どんなことに悩んでいますか。どんなふうなことをしたいと思っていますか。

それについて何日も考えていたのが、もしかしたら30分走っただけで解決するかもしれません。

明日から5分でも歩いたり、走ってみませんか。

 

 

では、今回はここまでです。