栄養学

『貧血の教科書』ー仕組み・数値の目安・予防法とは?ー

お疲れ様です。しましまです。

 

今回のテーマは、ランナーにとって切っても切れない関係にある『貧血』

貧血は主に女性に多いとされていますが、男性においても珍しいことではなく、特にスポーツを行う方は貧血症状を起こすことが多くなっています。

 

そこで今回は、貧血が起こる仕組みから整理していき、貧血がどのような症状を起こすのか、予防するためにはどんなことが必要なのか、1つずつ丁寧に見ていきましょう。

 

1.貧血の仕組み

 

2.数値の目安は?

 

3.貧血を予防するためには

 

 

1.貧血の仕組み

まずは貧血が起きる仕組みをおさらい。

そもそも貧血とは、一般的に「ヘモグロビン濃度が基準値を下回っている状態のこと」とされています。

ヘモグロビンは赤血球を構成するたんぱく質。酸素との結び付きが強く、血液とともに全身に酸素を運ぶ役目を果たしています。

 

貧血になると?

・ヘモグロビンが酸素を全身に運ぶもの

 

・貧血がヘモグロビン濃度の低い状態であること

ということは、貧血になると酸素が全身に行き渡りにくくなるということになります。

ヒトの活動において酸素は無くてはならない存在。この循環が上手くいかなくなるということは、生活する上で大きな支障をきたします。

もちろん、日常生活以上の強度で活動を行うスポーツ選手にとってはさらに重要。

身体を動かす(筋肉を動かす)エネルギーを作るためには酸素が必要とされることが多く、いかに酸素を効率よく利用するかがパフォーマンスを決めるとまで言われているのです。

 

貧血の種類

実は一口に貧血と言っても、引き起こす要因によって症名がそれぞれ異なります。

その中でもランナーが意識すべきなのが以下の3つ。

 

・鉄欠乏性貧血

 

・溶血性貧血

 

・非鉄欠乏性貧血

 

鉄欠乏性貧血はその名の通り体内の「鉄」が不足することで発症します。

ヘモグロビンは酸素を運ぶ役割があるとお話ししましたが、そのヘモグロビンの大部分を占めるのは「鉄」。

そのため一般的に貧血=鉄分不足という認知がされているのです。

溶血性貧血は赤血球が外部からの衝撃により破壊され、ヘモグロビンが流れ出ることで起きる症状です。

赤血球は足の裏にも多く存在しており、マラソンや中長距離種目に取り組む方が貧血になりやすいのは、着地回数が多いためにこの足裏の赤血球が破壊させてしまうという点が1つの原因となっています。

3つ目の非鉄欠乏性貧血は、これもその名の通り「鉄以外の要素」が不足しているために起きる症状。

「ん?貧血=鉄不足では?」と思うかもしれませんが、貧血を考える上で重要な要素が実はもう1つあり、それは「たんぱく質」です。

最初にお話しした通り、ヘモグロビンはたんぱく質。つまりヘモグロビン濃度が低くなっている貧血状態では、鉄だけなくたんぱく質も不足しているということです。

貧血になりやすそうな男性をイメージすると、なんとなく細身の人が多いように思いませんか?

たんぱく質が足りていないから細身、と言うのは少し無理がある説明かもしれませんが、自分の身体に必要な栄養素をきちんと摂れているかは常に把握しておく必要があります。

 

Point

・ヘモグロビンを作っているのは主に「鉄」

・タンパク質の不足も貧血の原因となりうる

 

 

2.数値の目安は?

貧血検査で一般的に重視されている項目の基準値は以下の通りになります。

※赤血球数(RBC):一定量の血液中に含まれる赤血球数

※ヘモグロビン濃度(Hb):一定量の血液中に含まれるヘモグロビン濃度

※ヘマトクリット値(Ht):一定量の血液中に含まれる赤血球の容積の割合

 

これらの項目のうち、まず注目されるのはヘモグロビン濃度であり、男性では13.0、女性では12.0を下回ると「貧血」という診断が為されます。

 

判断材料は他にも

しかし、貧血は単純にそれだけで判断できるものではありません。自分自身の経験としても、上記数値は基準値を越えているのに明らかに貧血症状を起こしているという選手を何人も見てきました。

そこで、上記指標に加えて、貧血検査においては以下の点も重視されています。

※平均赤血球容積(MCV):赤血球の大きさを示す

※平均赤血球ヘモグロビン濃度:赤血球中のヘモグロビン濃度を示す

 

つまり、

・血液中のヘモグロビン濃度が基準値を越えていても、1つ1つの赤血球が小さい

 

・赤血球の大きさに問題はなくても1つの赤血球中におけるヘモグロビン濃度が低い

ということが貧血を招く原因になりうるということです。

 

判断材料はさらに他にも

貧血を判断するためには、まだまだ他の要素も見ていかなければなりません。

例えばフェリチン値。フェリチンは貯蔵鉄と呼ばれ、余った鉄を貯めておく役割があります。

このフェリチン値が低いと、上記数値が正常を示していても、すぐに鉄を使いきってしまい貧血を起こしやすくなってしまいます。

 

Point

・貧血検査で最も重視されるのはヘモグロビン濃度(男性で13.0、女性で12.0が最低ライン)

・他の数値も合わせて見ていく必要がある

 

 

3.貧血を予防するためには

このように、貧血は様々な要因が絡み合っているため、「これさえやれば」という予防法もありません。

しかし、貧血予防として

・鉄

 

・タンパク質

 

・ビタミン(特にビタミンC)

が大切であることは分かっており、これらは貧血予防に限らずスポーツに取り組む上で、さらには日常生活を過ごす上で非常に重要な栄養素。

これらのポイントを簡単にまとめると、以下のようになります。

 

Point

・鉄:ヘム鉄と非ヘム鉄と呼ばれるものがあり、ヘム鉄の方が圧倒的に吸収効率が良い。ただし鉄の過剰摂取は要注意!

・タンパク質:不足分はプロテインで補いましょう

・ビタミン:ビタミンCには鉄の吸収を助ける働きがあります

 

特にスポーツをよく行う方は、偏食にならないことを心がけるとともに、不足しがちな栄養素(運動でよく使われる栄養素)を積極的に摂るようにしましょう。

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(2018年版)スポーツにおいて重要な『4つの栄養素』

 

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ランで終わるべからず

栄養のお話をするときは、この言葉を出しています。

ランナーは、ランニングだけではなく、走るまでのウォーミングアップ・クールダウンであったり、ウェイトトレーニングであったり、今回の貧血予防を含むコンディショニングであったりと、ラン以外にも多くのことを意識していかなければなりません。

1日1日周りと差をつけていくためにも、もしくは周りに追いつくためにも、多くの知識を身に付けてランニングに取り組みましょう。

 

 

では、今回はここまでです。